オーディオ環境はだいぶ改善されたものの、相変わらず暇人ではない生活は続いていて、音楽を聴く時間がたくさんは取れない日々を過ごしているが、それでもできるだけ時間を作っては機器の前に座るようにしている。今日の中古レコードはベートーヴェンで、これもけっこう前に買ってそのままになっていたものを聴いてみることにした。針を落としてみるとややスクラッチノイズが多めだがパールマンの泣かせるような高音弦の響きが美しく、アシュケナージとの息もピッタリでアンサンブルが心地よい。ジャケットを見るとロンドンレーベルでキングレコードの発売。1973年の録音のようだが、定位のしっかりとしたバランスの良い録音で、落ち着いて音楽に浸ることができる。付いていた値札を見ると結構安い値段で入手しているし、ジャケットの裏面はやや赤茶けていてあまりいい状態とは言い難い上に、たしか以前紹介したノイズが多くて洗浄せざるを得なかったLPと同時に買ったものなのでやや心配だったのだが、これは当たりだったようだ。そして、表題のクロイツェルソナタも好演だが、聴き進めていくとその次の”春”のアンサンブルが抜群に美しい。うわあ、これ、今まで聴いた”春”のうちでいちばん好きかも。決して激しい演奏ではないのだが、心の奥底が揺さぶられるような、不思議な説得力がある。しばらく脱力しながら聴き入っていた。また明日も頑張れそうかな。


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