エージングとか、しばらく使っているうちに音が変わってくる、ということはオーディオをやっているとよく経験することだが、今回導入したアナログプレーヤーも聞いているうちに出てくる音が少しづつ変化してきた。アナログ特有のゆったりした雰囲気はそのままに、音場が広がり、輪郭がはっきりしてきた印象。なんとなくぼんやりしていた音像のピントが合ってきて、オーディオライクになっている。この変化はカートリッジなのかプレーヤー全体なのかあるいは流用したオルトフォンのケーブルのエージングのせいなのかはわからないが、明らかに良い方への変化。EMI盤、1970年録音のカラヤン、ベルリンのモーツァルト40番は、そのテンポ感と相まって、いわゆる”疾走する悲しみ”が響き、裏面の41番も重厚な和音がひたすら美しい。フルートの響きが特に印象に残るが、この時代は、もしかするとゴールウェイが吹いていたかもしれないなあ、などとぼんやり考えつつ聴く。ノスタルジーももちろんあるが、それ以上に聴くのが楽しくなってきた今日この頃。CDも聴きたいしアナログも楽しくて、時間があっという間に過ぎてゆく。

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