暇人のオーディオ

暇人が久々にオーディオを再開します。どのくらい続くでしょうか?

2020年04月

ヴィヴァルディの四季

クラシック音楽を中心に長く音楽趣味を続けていると、有名な、ポピュラーな曲を聴いている、と他人に伝えるのがなんとなく気恥ずかしく感じられることがある。別に運命や第9や新世界が大好きでも悪いことは何もないはずなのに、どんな音楽を聴いているのかと尋ねられたら、そういう曲じゃなくて、スクリャービンのピアノ曲が好きです、なんて答えてしまう、あの感じ。別に嘘ではないんだが。今日聞いている曲もそんな一例かもしれない。ヴィヴァルディのヴァイオリンコンチェルト集、”和声と創意の試み”第1番から第4番、いわゆる、四季、である。イ・ムジチ、フェリックス・アーヨによる古い録音だが、子供の頃盤面が擦り切れるほど聴いた刷り込みは強烈で、その後同じイ・ムジチでは、カルミレッリ、アゴスティーニ版、他にイタリア合奏団版なんかも手に入れたが、結局手許に置いて繰り返し聴くのは、このアーヨ版になってしまっている。奏でられるどこまでも伸びやかな”歌”は、カルミレッリの華麗で豊かな響きともアゴスティーニの若さ溢れるはつらつとした世界とも異なり、自分にとっての”四季”そのものであるかのようだ。もちろんひねくれた音楽好きである自分はそれだけで終わったことにはしたくないので、プーランクのピアノコンチェルトをその後に聴くことを忘れないのだが。今はル・サージュの紡ぎ出す流麗な音の世界に浸りつつこれを書いている。今日は忙しかったなあ。

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イエペスのギター

少し前までは寒さで冷え切っていた陋居だが、ここのところだいぶ気候が良くなってきて、帰宅してオーディオの前に座るのが苦にならなくなってきた。今日のセレクトは、往年の名ギタリスト、ナルシソ・イエペスのCD集。小学生の頃、父親のコレクションの中にあったイエペスのレコードを好んでよく聴いていた。そちらは手許にないので同じ音源かどうかはわからないが、このCD集には、幼い頃に繰り返し聞いたなじみ深い曲がいくつも収録されている。たまに思い出しては引っ張り出して聴くアルバムの一つ。CDのレーベル表記はステレオだが、初期のステレオ録音にありがちな感じの、まるでモノラルのように音像は大きめで、中央に丸く定位する響きがややノスタルジックな感興を呼び覚ます。当時部屋にあったコロムビアの家具調ステレオ(この言葉を聞いてピンとくる人はかなり人生のベテランだと思われるが)の前の自分と、今の自分。得たもの、通り過ぎたもの、失ったもの。それでも日常は続いていく。

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