AT-ES1500をしばらく聴いてみて、だいたいこのケーブルの性格がわかってきたけれど、やっぱりSupra Classic 6.0の音が忘れられずにケーブルを元に戻すことに決めた。このケーブルは以前端末加工してからだいぶ経ったので、剥き出しの端の部分はなんとなくボサボサでやや黒ずんで見え、このまま繋いでしまうのはちょっと躊躇われる。ただ、改めてケーブルの端を剥き直すにあたって、心線が太すぎて手持ちのニッパでは一回で切断できなかったり、バイワイヤのためにカッターナイフで合計16ヶ所の皮膜剥きをしなければならないことを考えると、それだけで暗澹たる気持ちになってしまうほどこのケーブルの加工性は悪い。今後のために端をバナナプラグかYラグで処理してしまうことも考えたが、それぞれのメッキの種類でだいぶ音が変わってしまうようだし、オーディオ用のそれら端末は最低で4個セット5000円弱くらいの値段がついており、ということは、バイワイヤのケーブル全てを端末処理するのに2万円ほどかかる勘定で、端末がケーブルより高価いってどうなんだろう、と、これまた考え込んでしまう。そこで考えたのが、ケーブル加工の専用工具の導入。プロ用は1万円オーバーで、これだけのためにそんなに張り込むわけにもいかないので、手頃なところをネットで買ってみた。マルチストリッパーPAW-01、お値段2480円也。ネットでの評判はとても良いものと最悪なものと極端に分かれているが、実際に使ってみて驚愕。まず、カッター部分。この太い心線を文字通り”サクッ”と一発で切ることができる。手持ちのニッパで何回かに分けて指にマメまで作ってやっと切り落としていたあの時間はなんだったのだろうか。さらに皮膜剥き。これまたあっさりできてしまって唖然。ここまでスムースだと俄然加工工程が楽しくなってくる。鼻歌まじりであっという間に作業終了。いやー、すごいね、専用工具。今回だけでもう充分にもとは取りました、っていう気分。断端が綺麗に切れているからアンプやスピーカーへの接続もしやすくてもうなにからなにまで別世界な接続作業であった。音出しをしてみると、やはりSupra Classic 6.0はこのセットに合っているんだなあ、と実感させられる。スピーカーケーブルはもう当分このままでいいんじゃないかな。

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