中古レコードを少しづつ買うようになって思うのは、ライナーノーツに書かれる録音情報が少ないなあ、ということである。録音場所、レコーディングスタッフや機材に言及があるのは珍しい方で、録音年の記載すらないのがけっこうある。CDの場合は詳細な録音データが記載されていることが多いので、この変化はデジタル化の後のものなのだろうか。今日聴いたブレンデルのレコードも書いてない方の一つ。発売が1980年ということしかわからない。アルフレッド・ブレンデルは大好きなピアニストの一人で、CDはけっこう持っているのだが、ショパンは初めて。中古屋で見つけた時は、ちょっと驚いたが、聴いてみると、これがけっこう面白い。ブレンデルって、何を弾いてもブレンデルになるんだね。アシュケナージやポリーニとは全く違う、ブレンデルの世界がそこに拡がる。淡々として、知的で、ただ無機質ではなく人間的な厚みというか情感を感じさせる演奏。こんなことを言っても彼は喜ばないだろうけれど。でも、やっぱりブレンデルの演奏は、好きだ。

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