ここのところ、緊迫し続けている世の中のおかげで、仕事は減らないし、休みは減るし、気にかかることはたくさん増えるし、なんだかよくわからない状況に陥っている。仕事を終えて帰ってきて、ビールのプルトップを引きながらCDをかける。流れてくるのはマイスキー&アルゲリッチコンビのシューマン。もともとチェロの響きは大好きでけっこう聴く機会は多いが、マイスキーはその中でもよく登場する一人。エルガーのコンチェルトを初めて聴いた時は衝撃を受けた。その後、いろいろな奏者のエルガーは聴いたけれど、やはり彼は一番だと思う。チェロといえばカザルスやロストロポーヴィッチなんていう巨匠たちがいて熱烈な信者もたくさんいるようだけれど、ヨーヨーマの超爽快な無伴奏とか、クニャーゼフのやたら気合の入ったラフマとかブルネロの妙に艶々したシューベルトとか、ちょっと変わった演奏が楽しくてそれもつい聴き入ってしまう。ロストロ爺さんのドヴォルザークは圧巻で、それはそれで好きなんだけどね。とまあ、よしなきことをいろいろ考えながら夜は更けてゆく。

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