クラシックファン歴は長いのだが、ただ聴いてきた時間が長いだけで、自分の音楽についての知識など何ほどでもないなあ、と慨嘆することが最近本当に多い。今日は久しぶりに聴いたツィマーマン/小澤/ボストンによるリストのピアノ協奏曲集のCDに、同じリストの”死の舞踏”という交響詩が収録されていて、このテーマとなるフレーズがベルリオーズの幻想の5楽章と同じであることに今更ながら気がついた。調べてみると、どちらも元になった旋律はグレゴリオ聖歌の怒りの日からのパラフレーズらしい。どの曲もかつてそれぞれそれなりに聴いたことのある曲で、これらが今ごろになってつながった、という事実には赤面せざるをえない。あるいはかつてやはり同じように気がついていて、それをただ忘れていただけかもしれないが、それはそれで記憶力の低下のひどさに戦慄を覚える、ということになる。恥ずかしさを紛らわすために、これまた久しぶりのレコードを引っ張り出した。アンセルメ/スイスロマンドの幻想。これ、レコードのくせに、と言ったら語弊があるのだが、録音も決して新しくないわりに音が妙に生々しい。特に低音弦の響きが心地よくて驚いた。ただ、同じように保存していたレコードに比べてややスクラッチノイズが多いように感じるが、目立った傷や埃はないので、静電気を帯びやすい盤面なのかもしれない。廉価版だしなあ。今度盤面のクリーニングをちゃんとやってから、もう一度聴いてみましょう。

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